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09.1.23 貴方の努力は報われていますか? 「尺八は何故鳴るのか?」


1 尺八は何故鳴るのか?
この原理を知ると尺八の概念が変わります。

古くは「カルマンの渦」で起こるありとあらゆる振動の中から、現在やっている運指で求められる周波数で共振する・・・というような物でした。
多分今でも信じている人は少なくないでしょう。
まずこれは1988年に否定されています。
パイプオルガンの制作者によって、エアリード楽器が鳴る原理が解明され、今はこれが一番有力な説として認められていますし、追認の実験も数多くやられています。

この原理を知る事は、自分で吐いた息が何処を通るべきか?が理解出来、歌口を顎に当てる時に位置や、吐き出される空気の向きなどの誤解を減らす事が出来ます。

カルマンの渦という非常に有名な現象を尺八に持ち込んだ事は、いかにも「正しそう」に思えました。
この現象は風の強い日などに電線がヒューヒューと音を立てる、アレです。
空気や液体の流れに中に棒などを立てると、棒の両側に渦巻きが出来、空気の流れの場合には音となって聞こえてきます。
この原理を正しいと考えてしまうと「息は歌口の上と下に半々になるように吹き込め」という考え方が、正しいと思ってしまいます。

所が実際に演奏家の息の流れを調べてみると、プロのほとんどの息は管の外側を流れていて、管の中をほとんど空気が流れていません。

この事実を知ると知らないとでは、歌口の当て方に大きな違いが生まれます。
下唇よりも下側に当てている尺八の管内に息を入れようなどと考えると、カッパのような口をして、つまり、上の唇よりも下唇をへこまして、空気を下側に送ろうとしてしまいます。又は、歌口を必要以上に上側に当ててしまいます。

「息は歌口の上と下に半々になるように吹き込むことでカルマンの渦が出来る」「尺八は管内を空気が流れる事で音が出る」「歌口で上下半々に空気が引き裂かれる事で音が出る」・・・このような事を信じていては、まずそこからすでに「努力は報われない」の始まりなのです。

では、どのようにして尺八は鳴るのか?
簡単に説明します。
歌口の斜めになった部分の上部に空気の流れが出来ると、管内の空気がその流れに引っ張られて外に出ようとします、そうなると管内の気圧は下がりますから、空気は管内に戻されます、しかし、相変わらず外側に流れる空気は管内の空気を引っ張ります。
この連続で、歌口の所に出たり入ったりという空気の振動が生まれるのです。
これはまさに「エアリード」ですね。

事実から冷静に考えると、空気は尺八の外側を流れるのですから唇は「カッパ」ではなく、上下揃えて見ている方向に吹けばいいという事になります。

物事の現象はかなり、単純な方向に落ち着く物です。
もし管内と外側に半々、等という事だったら・・・・はき出されたら広がろうとする空気は外側には流れやすくても、際の細い管内に流すのはそれなりに力が必要です。
そんな環境の違う上下半々に正確に流すのは考えただけで難しそうです。
まして「上に7,下に3」とか6:4など・・・こんな事を言う人はどうやって計ったのか、聞いてみたい物です。

申し訳ないですが、こうした非論理的、非科学的な「話」には「×」を付けて行きます。
そうしなければ、「報われない努力」は繰り返され、尺八の底上げなど出来るはずがないのです。








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